VinVieシードル仕込み中です
今年の秋のリリースに向け、VinVie初のシードルを仕上げています。
当社のCider(シードル)は「瓶内二次発酵法」という製法で作っています。
まず、通常の一次のアルコール発酵をタンクで終了させた後、耐圧性のボトルに充填します。そこに糖と酵母を添加し、王冠で蓋をしてセラーの中でゆっくり寝かせておくと、瓶中の酵母が活動を始め、糖が酵母によってゆっくりとアルコールと炭酸ガスに分解されます(二次発酵)。こうして発酵で発生する炭酸ガスがワインの中に溶け込んでいくことになります。
分解する糖が無くなって発酵を終えた酵母は、オリとなってシードル中に多くの量が沈殿していきますが、このオリとなった酵母か徐々に自己分解されてアミノ酸となり、シードルに旨味を付与してくれるという効果もあります。ただ、6ヶ月以上熟成させないと酵母の自己分解は始まらないといわれています。求める味わいの実現という意味においては、このオリと接触させておく熟成期間というのも重要です。
最終的には、このシードル中のオリを取り除き、より高品質の泡と味わいを求めていくのですが、オリを取り除くのに必要な作業の一番最初に行うのが「ルミアージュ」です。ルミアージュとは、シードル中のオリを瓶口に集めていくための工程で、「動瓶」と訳されることも多いです。
オリを集めていくために用いるのが、「ピュピトル」と呼ばれる、黒いスペシャルな瓶を差す台です。
そのピュピトルの穴の中に瓶内二次発酵を終えたシードルのボトルを差していくのですが、瓶内の全てのオリを集めていかなくてはならないため、時間をかけてゆっくりとオリを落としていきます。いきなり倒立させるわけではなく、最初は緩やかな角度でピュピトルに差して、毎日瓶を揺するようにして振動を与えながらボトルを回転させて、徐々に倒立させていくルミアージュを行います。
当社では初めてのことですが、1本1本人間の手で毎日ルミアージュを行っています。また、熟成とオリの落ちやすさを考慮して、低めの温度で保管しています。
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